異空間リトリート:協働知の再創造~レジリエンスから社会イノベーションへの可能性 ~
ワークショップ概要
グローバルに展開してきた研究者・実務家ネットワークGPIは、国内外で積み重ねてきた政策ワークショップを新しく衣替えし、非日常的空間の中で丸一日全員参加型の「リトリート」を開催します。ここでは、既存の「研究会」形式の型を打ち破り、自由な発想と知の対話をより刺激するスペースとして、京都在住の美術家が新しく創った、制作・発表・人/社会との共有を同時に行いアートシーンの再創造を行うスペース”trace”で実施します。この空間を通じて、異なる知(木)を結びつけ、協働知の創造(森)を形にし、社会イノベーションに繋げるためのモデルづくりを目指します。
今回、リトリート向けに普段私たちが忙しさに紛れてなかなか向き合えないテーマを設けます。リトリートならではのテーマは、協働知の再創造と「レジリエンス(resilience)」。社会問題解決に分野横断的なアプローチの重要性はよく語られますが、それを実現するには意識的に協働で知を創造していく場とプロセスが欠かせません。しかし、日本ではこれを可能にする機会はとても限られているのが現状です。その分野横断的アプローチに深く結びつくのが「レジリエンス」です。このコンセプトは、2011年3月東日本大震災以降、よく見聞きされるものの、私たちの生活や社会を直視した、本質的で包括的な議論は未だ少ない状況にあります。しかし、レジリエンスには、鍵となる視点(①「木も見て森も見る」視点 ②システム、デザイン、マネジメント思考 ③俯瞰・包括・体系的 ④プロセス重視 ⑤リンケージ(繋がり) ⑥イノベーション)がいくつも内在しており、様々な場面で適用することによって、社会の様々な問題を解決へと導く羅針盤となる可能性を秘めています。
本イベントでは、協働知の再創造を目指すプロセスづくりの一環として、専門・組織などの既存の「枠」を超えて、身近な個人、組織、社会問題・政策がそれぞれどのようにレジリエンスと関係しているのか、また、それぞれの中でどのようにレジリエンスが実現されるかを、具体例を挙げて話し合います。さらに、レジリエンスをいかに社会問題の解決へと結びつけ、さらに社会イノベーションに繋げていくことができるのか、その可能性についても追及します。
開催報告
今後の展望
より具体的なレジリエンスプロジェクトを実施予定。成果はウエブサイトにて公開。様々な助成金に応募。
ワークショップを開催しての感想・メッセージ
このワークショップは、政策とアート、ギャラリーでの開催、政策と現場の連携、「レジリエンス」議論というようにどの点とっても学術界ではある意味異色で、人々の理解が得られのか最初は不安材料もあったが、開催してみて「こんな実りのあるワークショップには経験したことがない」といったような参加者からの嬉しい声が聞こえた。
ワークショップで得たもの
☆個々や組織からみた「レジリエンス」について共通の理解のための基盤のようなものを発見できた。
☆異なる分野や経験・バックグラウンドをもつ参加者の知の化学反応を見出すことができた→それぞれの現場にもちかえって日常に活かす素材が生まれた。