京都大学アカデミックデイ2025

神経発達症の“しくみ”を探る

研究者からの一言:神経発達症の脳では、何が起きているのでしょうか?

自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症などの神経発達症の背景に、どのような脳の特徴があるかは未だ十分に解明されていません。私たちは機械学習や超高磁場MRIなどの最新技術を使ってその特徴を調べ、仕組みのより深い理解や最適な診断・支援のあり方を探っています。研究の最前線、少しだけのぞいてみませんか?

出展代表者

大学院医学研究科
 六田 泰央 博士課程

参加者

大学院医学研究科
 庄司 りん 修士課程
医学部附属病院
 佐々木 彩恵子 医員
 上月 遥 助教
 磯部 昌憲 助教
 栗添 恵理 特定職員

関連URL

https://ccap.kuhp.kyoto-u.ac.jp/

研究者の本棚

本出展の参加研究者がお勧めする本をご紹介。

今の仕事(研究、進路)を選ぶきっかけになった本

DSM-5-TR:精神疾患の分類と診断の手引

American Psychiatric Association(原著)、日本精神神経学会(著・監修)

精神疾患に関する診断基準として広く使われている書籍です。精神科の疾病概念は、その曖昧性や恣意性がしばしば批判の対象になりますし、基準を機械的に援用して診断を行うようなものでもないことは勿論ですが、個々人や状況によって大きく異なる現れ方をし、生物学的な原因もわからないなかで、さまざまな精神症状の組をなんとか分類して次の理解の糧にしようという祈りのようなものを、個人的にはこうした診断基準からは感じています。

今ハマっている本(誰かとこの本について話したい)

もものかんづめ

さくらももこ

「ちびまる子ちゃん」の作者さくらももこさんのエッセイ。日常の出来事や思い出が独特のユーモアと温かさで描かれています。日常って、実はおもしろくて愛おしいことであふれているのかもしれない。そんな気持ちになれる、お気に入りの一冊です。

若者にお勧めしたい本

(新版)思考の整理学

外山滋比古

「考えること」を考えるヒントをくれる一冊です。この本に書いてあること全てが自分にとっての正解とは限らないけれど、思考との向き合い方を見つめ直す、大切な視点が詰まっています。

自分の研究に関連して紹介したい本

科学から理解する:自閉スペクトラム症の感覚世界

井手 正和

感覚過敏や感覚の鈍麻など、感覚に関する特性は、自閉スペクトラム症のよく知られる側面のひとつですが、その詳細、実際にどのような体験があるのか、とか、それが今の科学でどう理解されているのか、といったことは、あまり広く語られているとはいえません。様々な実験や研究、ときには個別のエピソードを交えて様々な角度からASDの感覚について述べる本書は、自閉スペクトラム症についてだけでなく、「感覚」というものについての不思議を教えてくれます。語り口は平易でわかりやすく、専門外の方にも面白く読みやすい、魅力いっぱいの本です。

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