京都大学アカデミックデイ2025

ゲームの力で持続的な狩猟を実現!

研究者からの一言:遊ぶことを通じてアフリカ熱帯林の課題解決を目指しています。

アフリカ熱帯林での持続的な狩猟について地域住民たちと一緒に考えるために、地域住民の狩猟活動を模したアナログゲームを開発しています。イベント当日は、実際にカメルーンのフィールドで実施したゲームを展示し、その仕組みや狙いを紹介します。新たな形の野生動物保全の可能性を、ゲームを通じてぜひ感じ取ってみてください!

出展代表者

大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
 赤岡 佑治 博士課程

関連URL

https://sites.google.com/view/yuji-akaokas-official-website/home

研究者の本棚

本出展の参加研究者がお勧めする本をご紹介。

今の仕事(研究、進路)を選ぶきっかけになった本

森棲みの生態誌(アフリカ熱帯林の人・自然・歴史 1)

木村 大治、北西 功一

アフリカ熱帯林に暮らす人々の生活と自然との関わりが、丁寧なフィールドワークを通じて描かれている一冊です。私自身も森に暮らす人々の生活に魅了され、この世界をもっと深く知りたいと思い、アフリカ熱帯林の狩猟活動を研究する道に進みました。人と自然の関係を生活実践の中から読み解く本書の視点は、現在の私の研究の基盤にもなっています。

今ハマっている本(誰かとこの本について話したい)

ゲームメカニクス大全:ボードゲームに学ぶ「おもしろさ」の仕掛け

Geoffrey Engelstein、Isaac Shalev / 小野 卓也(訳)

ボードゲームのメカニクスを体系的に紹介し、ゲームの面白さがどのように構成されているかを解き明かす実践的な内容の書籍です。現在開発しているシリアスゲームにおいても、本書は大いに参考になりました。アイデアの種が随所に散りばめられており、単なる技術書にとどまらず、創造的なゲーム設計を支える理論的な基盤として活用できる一冊です。

若者にお勧めしたい本

人間の土地

サン・テグジュペリ

サン=テグジュペリが飛行士としての体験をもとに、人間の尊厳や自然との関係、他者へのまなざしを描いた作品です。過酷な環境のなかでの責任や思いやりに触れながら、生きる意味を問い続ける彼の姿勢に深く心を動かされました。サン=テグジュペリの冒険精神と人間観は、私自身がアフリカの森でフィールドワークをする決意を固める大きな後押しとなりました。

自分の研究に関連して紹介したい本

コモンズのガバナンス:人びとの協働と制度の進化

エリノア・オストロム / 原田 禎夫、齋藤 暖生、嶋田大作(訳)

地域の共有資源(コモンズ)をめぐる協働の仕組みと、それを支える制度がどのように形成・変化していくのかを丁寧に論じた一冊です。アフリカ熱帯林におけるブッシュミートの管理に関しても、本書の議論と深く通じるものがあります。制度を「外から与えられるもの」ではなく、「現場の実践の中で形づくられていくもの」とする視点に、強く共感を覚えました。

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