私たちの体を構成するヒト細胞は、それぞれの臓器機能に適した環境でしか機能を発揮できません。このため、生体内と同じ培養環境を準備して細胞を培養することは、正しく細胞機能を計測する上で非常に重要です。私たちは、半導体技術により作製したマイクロ流体デバイスを用いて、血管、腎臓、肺、肝臓などの機能を模倣する生体模倣システムを開発しています。臓器発生過程の理解を目指す基礎研究から薬物動態や安全性の評価など幅広い研究を対象としています。
出展代表者
大学院工学研究科
横川 隆司 教授
参加者
大学院工学研究科
藤本 和也 准教授
松本 倫実 特定助教
Sachin Yadav スタッフ
髙田 裕司 博士課程4年
馬 成 博士課程3年
田渕 史 博士課程3年
北田 敦也 博士課程1年
Koh Wei Lun Darryl 博士課程1年
孫 一心 博士課程1年
中本 尚吾 修士課程2年
西村 太希 修士課程2年
楊 美萱 修士課程2年
小石 翔太 修士課程2年
飯尾 凛太郎 修士課程2年
洲河 青 修士課程1年
炭本 壮一朗 修士課程1年
岡本 大地 修士課程1年
関連URL
https://www.mbsys.me.kyoto-u.ac.jp
研究者の本棚
本出展の参加研究者がお勧めする本をご紹介。
今の仕事(研究、進路)を選ぶきっかけになった本
Fundamentals of Microfabrication and Nanotechnology
Marc J. Madou
私が修士課程の時に留学したカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で教科書として使われており、マイクロ・ナノの世界を体系的にとらえることができるようになりました。京大の講義でも、この教科書をベースにマイクロ加工学に関する講義をしています。Micro Electro Mechanical Systems (MEMS)の基盤技術を一通り学習するのに適した書籍です。
今ハマっている本(誰かとこの本について話したい)
TIME OFF:働き方に“生産性”と“創造性”を取り戻す戦略的休息術
ジョン・フィッチ、マックス・フレンゼル / ローリングホフ 育未 (訳)
日本の大学では、研究に直結する創造的活動に専念できる時間が少なく、企業で言う庶務、総務、人事などあらゆる業務をこなせないと研究者にはなれず多忙です。事務能力ゼロの海外の研究者からは「そんなことまで自分でやってるのか」と笑われます。つまり、日本の研究環境は、研究者の生産性や創造性をあげる環境が不十分で創造的活動に対して萎縮しています。そこで、少なくともラボのメンバーには休息をしっかり取って、生産性と創造性を上げてもらえるように環境作りをしたいと思っています。
自分の研究に関連して紹介したい本
Theoretical Microfluidics
Henrik Bruus
大学学部レベルの流体力学の基礎に基づいて、それを生命科学分野の研究に適用する上で必要なマイクロ流体力学について説明した教科書です。流体力学を修めており、その応用を目指す研究者・学生には演習問題を含めお勧めしたい一冊です。私の講義でも一部を参考にしています。