京都大学アカデミックデイ2016

東アジア国際関係からみた沖縄返還

研究者からの一言:沖縄は日本の一部だと思いますか?

主に日米関係の枠組みで研究されてきた沖縄返還を、韓国、台湾、沖縄現地の動向を含めたより大きな枠組みの中で検討し、当時の日本政府が主唱していた「核抜き・本土並み」返還とは何であったかを検証します。

出展代表者

文学研究科
 成田 千尋 日本学術振興会特別研究員(PD)

参加者

文学研究科
 成田 千尋 日本学術振興会特別研究員(PD)

来場者より

これからも研究をがんばってほしいで賞
僕の話をよく聞いてくれたで賞
守りたいで賞

アカデミックデイを経ての感想

今回初めて参加させて頂きました。ポスター展示をすること自体が初めてで、A0の大きさもよく分かっておらず、パワーポイントでA3のパネルを16枚作成してみたものの、全て貼ることができるのか、ちゃんと説明できるのかと、非常に不安なまま当日会場に行きました。でも、展示スペースは予想以上に広く、「研究者の本棚」で紹介し切れなかった本や史料なども置くことができ、少しほっとしました。

 展示中は、様々な年代の日本人の方の他、中国、韓国、ベトナム、台湾などの出身の方も見に来て下さり、沖縄の基地に対する見方などについて意見交換することができ、こちらとしてもとても勉強になりました。また、沖縄は独立した方がいいのではないかと思っている方が多いことも、印象に残りました。ほぼ1対1の対話になってしまって、お話できなかった方もいたことが少し残念でしたが、通常の研究発表では得難い経験ができたと思います。最後になりましたが、ご来場下さった皆様、スタッフの皆様にお礼申し上げます。

フォトギャラリー

研究者の本棚

本出展の参加研究者がお勧めする本をご紹介。

今の仕事(研究、進路)を選ぶきっかけになった本

沖縄戦後史

中野好夫、新崎盛暉 / 岩波書店

沖縄には本土と全く違う戦後史があったということを、最初に気づかせてくれた本です。1945年から1972年までの米軍統治下の歴史について、主に政治面から記述されています。

取り扱い: 京都大学図書館

今ハマっている本(誰かとこの本について話したい)

琉球独立論―琉球民族のマニフェスト

松島泰勝 / バジリコ

沖縄では独立論を求める人は多数派ではありませんが、数年前から議論が盛んになっています。この本は2014年に出版されたもので、琉球独立について歴史、理念、政治経済、国際関係など多角的なテーマから述べられています。何故現在独立論が出てくるのかということを考えるために、読んでもらいたい一冊です。

取り扱い: 京都大学図書館

若者にお勧めしたい本

沖縄現代史―米国統治、本土復帰から「オール沖縄」まで

櫻澤誠 / 中央公論新社

戦後から2015年前半までの沖縄の政治、経済、文化などの変遷についてバランスよく描かれています。沖縄の現状がどのような経緯を経てできたのかを知るために、ぜひ読んでもらいたい一冊です。

取り扱い: 京都大学図書館

自分の研究に関連して紹介したい本

冷戦期日韓安全保障関係の形成

崔慶原 / 慶応義塾大学出版会

日韓関係がテーマなので、沖縄についてはあまり触れられていませんが、日米韓三国の史料を用いて実証的に記述されており、1960年代後半から70年代半ばの日韓関係について知る上でとても参考になる一冊です。

取り扱い: 京都大学図書館

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